respect of 福井響 〜イタリアまで届けこの想い〜 出発前編
まず始めに
この男の名は福井響。
小中学校の同級生である。
正直全く仲が良くない。学校では話したりいじったりしたことはあるけど、プライベートで遊んだことは一回もない。
この男との思い出と言えば、小学校5年の時に担任の先生に夏休みの思い出を語る授業があって、その時に福井が
「家族で琵琶湖自転車で一周してきました!」
と高らかに発表し、その発表に対して僕が
「自転車ぁ?だっせぇぇぇぇぇ」
と言った。この思い出くらいしかない。しかしこの思い出が僕の24歳のゴールデンウィークを揺るがす。
この福井という男は、とにかく自転車が好きであった。
体育祭では自ら自転車を持参し校庭をウィリーで駆け巡っていた。あの技術は悔しいが素晴らしいものがあった。観客も沸いていたことを覚えている。
更に中学では野外活動部という新設された部活に所属し、持ち前のチャリ愛を存分に発揮していた。
僕が彼について知っていることはここまで。
福井とは別の高校になり、存在も忘れていた。
ある日彼からFacebookの申請があり、驚いた。よく俺ってわかったな。と思ったのと全く仲よくないのにFacebook友達になる意味ある?
と思ったのと。
そして、彼が今イタリアで自転車のレースに関わる仕事をしていることを知った。
正直、感動した。
幼い頃から自転車に一途にそれをも職業にしてしまう彼のすごさ、夢の大事さを彼から学んだ気がした。
あの時、自転車を馬鹿にしたことを激しく後悔した。謝りたい。いてもたってもいられずFacebookにコメントした。
こんな感じでめちゃくちゃかっこいい返事が返ってきた。
このことを友達のりょうたに話した。
そして
僕たちも自転車で旅をしてみよう
となった。意味わからん。(笑)
ゴールデンウィーク期間を使って決行することになった。
目的地は色々考えた結果
石川県は金沢駅に決まった。
地元の北千里から車で4時間の距離である。
そして自転車は
ママチャリで行こうとなった。(笑)
そうとなれば即準備開始。
色々考えた挙句、吹田市にあるリサイクルセンター「くるくるプラザ」で粗大ゴミから作り上げたリサイクル自転車を入手することに成功した。
ダサすぎて泣いた。
3500円。破格である。そして地球に優しいリサイクル品である。正直これで金沢いったらかっこよすぎるだろ。って思った。
これを入手して万博から家帰るとき誰にも会わんように本気で願った。伊藤あんなチャリ乗ってるん?wってなるのが嫌やから。
多分やけど大図に会った。まぁ大図ならええわ。
あと1台は茨木にあるチャリ屋で5000円でママチャリを入手した
これで肝心な自転車はオッケー。
僕がゴールデンウィーク初っ端仕事やった為5月3日の夕方からスタートということになった。
前日には自転車を改造するために北千里のダイソーで2000円分くらい必要なものを買い込んだ。
正直自転車が100均のもので進化していく過程が1番楽しかった。
こうして出発の日を迎えることになるのである
つづく。